なぜ、エクセルで見積書や請求書を作成・管理すると失敗するのか?
2011.05.18 Wednesday
皆さん、こんにちは。
日本クラウドコンピューティング株式会社の新井です。
今日は「エクセルで見積書や請求書を作成・管理すると、どうして失敗するのか?ということについて、お話したいと思います。
多くの中小企業では、営業部門がお客様に提出する見積書、経理部門がお客様にお送りする請求書などの書類をエクセル(Excel)を使って作成、管理しているかと思います。
しかし、このエクセルによる見積書、請求書の作成、管理については、管理する量が増えれば増えるほど、煩雑になり、見積、請求業務で大きなミスを誘発することになります。
実は、当社も長らくエクセルで見積書、請求書の作成を行ってきました。当社だけでなく、当社の顧問先や取引先なども、エクセルで作成した見積書、請求書を使っている会社がほとんどです。
エクセルというのは、数式が関係する書類を作成するには、非常に便利なものです。
しかし、エクセルの弱点を知らないと、後々、管理が出来なくなってしまい、当社にも多くの相談依頼が持ち込まれます。
エクセルで見積書、請求書を作成・管理するとどうして失敗するかということについて、次の3つのことが挙げられます。
1.書類の統一、統合的な管理が出来ない
エクセルというのは、個人が書類を作成したり、数式を使って分析をしたりするツールとしては最適なのですが、多くの人が作成した書類を統合的に管理することが出来ません。
分かりやすく説明しますと、5人の担当者が見積書をエクセルで作っていると、エクセルのファイルも5つ出来上がることになります。
見積書に記載する見積書番号の発番も統一性がなくなったり、重複したりすることになり、その作成したファイルも各担当者のパソコンにバラバラに保管されることになります。
たとえ、ファイルサーバーやドキュメント管理ツールを入れたとしても、もともとがエクセルのファイルになりますので、ファイルは作成すればするほど増えていき、会社として発行されている見積書すべてを横断的に一括して管理することが出来ないのです。
また、個別に見積書を作成するとなると、担当者ごとに見積書のフォーマットを変えてしまったり、見積書に記載する取引条件を各個人の裁量で勝手に決めてお客様に提出してしまったりということが発生します。
ですので、見積書を一つ取ってみても、見積書管理番号を発番し、統一された見積書フォーマットで提出することが、社内の業務を円滑に管理運営するためにも大切なのです。
エクセルを使わずに見積書の作成・管理をシステム化することにより、経営者やマネージャーが、取引先毎、営業担当者毎、特定の期間毎などのカテゴリーで会社全体でどれ位の見積書が発行されているかということを正確に掴むことが、経営予測を迅速に行い、問題があればフォローを行い、問題に対処したり、新しい試みに対応したりすることが出来るようになるのです。
2.自動化が出来ない
エクセルで作成された書類は、見栄えの良い美しいものができますが、その書類そのものだけで完結してしまい、あらたな業務処理を行うためには、再度、その情報を入力しなおさなくてはなりません。
例えば、見積書を提示したお客様から注文を頂くことが出来たら、そのデータは受発注処理に流れ、会計システム、請求書発行、入金確認という流れになります。
最初の見積書から、エクセルで作成してしまうと、その後の処理も再入力を何度もしなくてはならなくなり、途中の業務処理過程でミスも発生することも多くあります。
請求処理も複雑で、何か単発で販売するといったものであればいいのですが、顧問料金や保守料金のように、見積書を発行は一度だけで、その後、特定の周期毎に請求書発行をしたりするものもあります。
また、取引先ごとに支払条件も違うこともありますので、取引件数が数十社を超えてくると、これをすべて把握して、確実に請求書発行、入金確認をするだけでも、多くの労力が取られてしまいます。
こういった取引に関わる見積書発行から請求書発行までをすべて手作業で行うというのは、限界があるということが分かると思います。
つまり、この見積書から請求書作成まで、エクセルを使うのではなく、この見積書発行からシステム化をすることにより、請求書発行も仕組み化、自動化することが出来るようになり、取引件数が増えても、請求書発行業務を円滑に処理することが出来るようになるのです。
3.他のシステムとの連携が出来ない
見積書発行という作業は、企業の営業活動の大きなポイントでもあります。見込み客を集客し、その中から潜在的な顧客を見極め、商談が発生するというポイントです。
営業支援・顧客管理システムを使っている方は分かるかと思いますが、顧客に見積書をいつ、何をいくらで提示したかというのは、営業支援・顧客管理システムに入力していくのですが、これがエクセルで見積書を作ると登録に二度手間になってしまいます。
結局、営業支援・顧客管理システムが、なかなか活用できないというのは、このような入力が面倒になり、正確な情報が入力されないため、結果的に使わなくなってしまうということになるのです。
受注や請求書の発行も、会計システムに、再度、入力ということを行わなくてはなりません。
今、営業支援・顧客管理システム、会計システムを使っていないとしても、企業の規模や取引件数が増えてくると、このようなシステムを使わざるを得なくなってしまいます。
ですので、企業の営業活動において、見積書、請求書の発行というのは、大きなポイントでもありますので、その部分を他のシステムと連携がし難いエクセルで作成してしまうということは、今後、より業務を効率化していくことを阻害することにもなってしまうのです。
つまり、見積書を作成した時点で、顧客管理の売上予測に自動的に反映され、プロジェクト管理ツールに見積り作成時間とタスク終了が記載され、受注後は、見積書のデータを元に会計システムに売上計上が書き込まれ、請求書も自動発行されるというところまで、極力、自動化、仕組み化をしていくことで、業務の効率化が出来るようになります。
これらの3つの問題を解決するためは、エクセルを使って見積書や請求書を発行するのではなく、見積書・請求書を発行・管理するシステムを考える必要があります。
このようなシステムを導入、開発すると、安くても数十万から数百万単位の開発費用がかかりますので、小規模法人にとっては、気軽に導入できるものではありません。
安いパッケージの見積書・請求書を発行・管理するソフトウェアもあるのですが、他のシステムの連携までは難しく、バージョンアップ、データバックアップ、OSがなくなるようなコンピューティングの転換期に差し掛かっていることを考えると、選択すべき形態ではありません。
そこで、見積書、請求書発行管理業務を行っているクラウドサービスを利用するという方法が、中小企業にとってはベストな選択肢なのではないかと思います。
では、見積書、請求書発行において、どのようなサービスを選択すべきかという点では、その企業の個別の状況で変わるものですので、ここでは、具体的には比較言及は致しません。
しかし、現在、何のシステム化もしてない企業であれば、Zoho Invoiceをお勧めします。
https://invoice.zoho.com/
その理由は、見積書、請求書の発行管理だけでなく、顧客管理やプロジェクト管理などのシステムと連携が出来るからです。
もともと英語圏のクラウドサービスなので、一部、見積りのテンプレートが日本の表記に馴染んでいないものであったりするところや、日本独特の見積書に社印や担当者印を電子印鑑で捺印、PDFで出力出来ないなどのところはあります。
しかし、このような細かい点は、いずれは解決してきますし、ユーザー側のシステムの運用の工夫で何とかなります。
私がこのクラウドサービスを評価するのは、顧客管理やプロジェクト管理などZohoのクラウドサービスと連携出来ることと、請求書の郵送サービスが提供されているところ、まだ、日本では普及していませんがPaypalによる入金決済などと連携をしているところです。
つまり、Zohoのクラウドサービスの良い点は、このような見積書・請求書を発行、管理するという単一の機能だけでなく、企業の業務プロセス全体をクラウドサービスだけでなく、他社のサービスを含めた連携までもカバーし、企業全体の業務処理や意思伝達の仕組みをクラウドをサービスで包括的に支援するという哲学のようなものを感じる点だと思っています。
いずれにせよ、月に5枚までの見積書・請求書の作成は無料で出来ますので、まだ、システム化されていない方は、試しにこのサービスを使ってみることをお勧めします。
《本コラムの動画版はこちらからアクセスできます》
http://youtu.be/ypq-fm_HUnU
日本クラウドコンピューティング株式会社の新井です。
今日は「エクセルで見積書や請求書を作成・管理すると、どうして失敗するのか?ということについて、お話したいと思います。
多くの中小企業では、営業部門がお客様に提出する見積書、経理部門がお客様にお送りする請求書などの書類をエクセル(Excel)を使って作成、管理しているかと思います。
しかし、このエクセルによる見積書、請求書の作成、管理については、管理する量が増えれば増えるほど、煩雑になり、見積、請求業務で大きなミスを誘発することになります。
実は、当社も長らくエクセルで見積書、請求書の作成を行ってきました。当社だけでなく、当社の顧問先や取引先なども、エクセルで作成した見積書、請求書を使っている会社がほとんどです。
エクセルというのは、数式が関係する書類を作成するには、非常に便利なものです。
しかし、エクセルの弱点を知らないと、後々、管理が出来なくなってしまい、当社にも多くの相談依頼が持ち込まれます。
エクセルで見積書、請求書を作成・管理するとどうして失敗するかということについて、次の3つのことが挙げられます。
1.書類の統一、統合的な管理が出来ない
エクセルというのは、個人が書類を作成したり、数式を使って分析をしたりするツールとしては最適なのですが、多くの人が作成した書類を統合的に管理することが出来ません。
分かりやすく説明しますと、5人の担当者が見積書をエクセルで作っていると、エクセルのファイルも5つ出来上がることになります。
見積書に記載する見積書番号の発番も統一性がなくなったり、重複したりすることになり、その作成したファイルも各担当者のパソコンにバラバラに保管されることになります。
たとえ、ファイルサーバーやドキュメント管理ツールを入れたとしても、もともとがエクセルのファイルになりますので、ファイルは作成すればするほど増えていき、会社として発行されている見積書すべてを横断的に一括して管理することが出来ないのです。
また、個別に見積書を作成するとなると、担当者ごとに見積書のフォーマットを変えてしまったり、見積書に記載する取引条件を各個人の裁量で勝手に決めてお客様に提出してしまったりということが発生します。
ですので、見積書を一つ取ってみても、見積書管理番号を発番し、統一された見積書フォーマットで提出することが、社内の業務を円滑に管理運営するためにも大切なのです。
エクセルを使わずに見積書の作成・管理をシステム化することにより、経営者やマネージャーが、取引先毎、営業担当者毎、特定の期間毎などのカテゴリーで会社全体でどれ位の見積書が発行されているかということを正確に掴むことが、経営予測を迅速に行い、問題があればフォローを行い、問題に対処したり、新しい試みに対応したりすることが出来るようになるのです。
2.自動化が出来ない
エクセルで作成された書類は、見栄えの良い美しいものができますが、その書類そのものだけで完結してしまい、あらたな業務処理を行うためには、再度、その情報を入力しなおさなくてはなりません。
例えば、見積書を提示したお客様から注文を頂くことが出来たら、そのデータは受発注処理に流れ、会計システム、請求書発行、入金確認という流れになります。
最初の見積書から、エクセルで作成してしまうと、その後の処理も再入力を何度もしなくてはならなくなり、途中の業務処理過程でミスも発生することも多くあります。
請求処理も複雑で、何か単発で販売するといったものであればいいのですが、顧問料金や保守料金のように、見積書を発行は一度だけで、その後、特定の周期毎に請求書発行をしたりするものもあります。
また、取引先ごとに支払条件も違うこともありますので、取引件数が数十社を超えてくると、これをすべて把握して、確実に請求書発行、入金確認をするだけでも、多くの労力が取られてしまいます。
こういった取引に関わる見積書発行から請求書発行までをすべて手作業で行うというのは、限界があるということが分かると思います。
つまり、この見積書から請求書作成まで、エクセルを使うのではなく、この見積書発行からシステム化をすることにより、請求書発行も仕組み化、自動化することが出来るようになり、取引件数が増えても、請求書発行業務を円滑に処理することが出来るようになるのです。
3.他のシステムとの連携が出来ない
見積書発行という作業は、企業の営業活動の大きなポイントでもあります。見込み客を集客し、その中から潜在的な顧客を見極め、商談が発生するというポイントです。
営業支援・顧客管理システムを使っている方は分かるかと思いますが、顧客に見積書をいつ、何をいくらで提示したかというのは、営業支援・顧客管理システムに入力していくのですが、これがエクセルで見積書を作ると登録に二度手間になってしまいます。
結局、営業支援・顧客管理システムが、なかなか活用できないというのは、このような入力が面倒になり、正確な情報が入力されないため、結果的に使わなくなってしまうということになるのです。
受注や請求書の発行も、会計システムに、再度、入力ということを行わなくてはなりません。
今、営業支援・顧客管理システム、会計システムを使っていないとしても、企業の規模や取引件数が増えてくると、このようなシステムを使わざるを得なくなってしまいます。
ですので、企業の営業活動において、見積書、請求書の発行というのは、大きなポイントでもありますので、その部分を他のシステムと連携がし難いエクセルで作成してしまうということは、今後、より業務を効率化していくことを阻害することにもなってしまうのです。
つまり、見積書を作成した時点で、顧客管理の売上予測に自動的に反映され、プロジェクト管理ツールに見積り作成時間とタスク終了が記載され、受注後は、見積書のデータを元に会計システムに売上計上が書き込まれ、請求書も自動発行されるというところまで、極力、自動化、仕組み化をしていくことで、業務の効率化が出来るようになります。
これらの3つの問題を解決するためは、エクセルを使って見積書や請求書を発行するのではなく、見積書・請求書を発行・管理するシステムを考える必要があります。
このようなシステムを導入、開発すると、安くても数十万から数百万単位の開発費用がかかりますので、小規模法人にとっては、気軽に導入できるものではありません。
安いパッケージの見積書・請求書を発行・管理するソフトウェアもあるのですが、他のシステムの連携までは難しく、バージョンアップ、データバックアップ、OSがなくなるようなコンピューティングの転換期に差し掛かっていることを考えると、選択すべき形態ではありません。
そこで、見積書、請求書発行管理業務を行っているクラウドサービスを利用するという方法が、中小企業にとってはベストな選択肢なのではないかと思います。
では、見積書、請求書発行において、どのようなサービスを選択すべきかという点では、その企業の個別の状況で変わるものですので、ここでは、具体的には比較言及は致しません。
しかし、現在、何のシステム化もしてない企業であれば、Zoho Invoiceをお勧めします。
https://invoice.zoho.com/
その理由は、見積書、請求書の発行管理だけでなく、顧客管理やプロジェクト管理などのシステムと連携が出来るからです。
もともと英語圏のクラウドサービスなので、一部、見積りのテンプレートが日本の表記に馴染んでいないものであったりするところや、日本独特の見積書に社印や担当者印を電子印鑑で捺印、PDFで出力出来ないなどのところはあります。
しかし、このような細かい点は、いずれは解決してきますし、ユーザー側のシステムの運用の工夫で何とかなります。
私がこのクラウドサービスを評価するのは、顧客管理やプロジェクト管理などZohoのクラウドサービスと連携出来ることと、請求書の郵送サービスが提供されているところ、まだ、日本では普及していませんがPaypalによる入金決済などと連携をしているところです。
つまり、Zohoのクラウドサービスの良い点は、このような見積書・請求書を発行、管理するという単一の機能だけでなく、企業の業務プロセス全体をクラウドサービスだけでなく、他社のサービスを含めた連携までもカバーし、企業全体の業務処理や意思伝達の仕組みをクラウドをサービスで包括的に支援するという哲学のようなものを感じる点だと思っています。
いずれにせよ、月に5枚までの見積書・請求書の作成は無料で出来ますので、まだ、システム化されていない方は、試しにこのサービスを使ってみることをお勧めします。
《本コラムの動画版はこちらからアクセスできます》
http://youtu.be/ypq-fm_HUnU