中小企業向けITコンサルティング専門会社、日本クラウドコンピューティング株式会社代表取締役社長、中小企業経営イノベーション協議会会長を務める清水圭一のブログです。中小企業経営者向けに講演、コンサルティング、ITシステム開発を行っております。現在、『月刊総務』にてICTコラムを連載中。
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大福帳を井戸に投げ込め!10分で出来る最低限度のICTシステム災害対策 その2
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    データロストはキャッシュフローの悪化を招く!?
    データロストをしてしまった企業が最初に立たされたのは、資金繰りが付かなくなってしまうことです。

     

    一部の業種業態を除いて、多くの企業は商品を先に納品して、後日、末締めで請求書を発行して、顧客から支払ってもらうという売掛方式で取引をしています。

     

    多くの場合、見積・請求管理システムや財務会計システムで売掛金の管理をしていますので、そのシステムのデータロストをしてしまうと、いつ、誰に、いくらの請求をすればいいのか分からなくなってしまい、それを相手先に確認しているだけで時間が掛かり、一気にキャッシュフローが悪化して、運転資金が枯渇して、倒産ということになるのです。

     

    つまり、被災しても仕入代金や借入金の返済請求は通常通り来ますし、従業員の給与も支払わなくてはなりません。しかし、請求書を出せないので、売掛金の回収が遅れてしまい、キャッシュフローの負のスパイラルに陥ってしまうのです。

     


    情報資産を失うことによる生産性の悪化
    被災してデータロストが起こった企業の多くでは、情報資産の価値を再認識したと言われることが多くありました。特にオフィスワーカーの場合、ワープロソフトや表計算ソフトで一から書類を作るということはほとんどなく、元々、前に作ったり、社内の誰かが作った書類を、再編集して新たな書類を作成していますので、その影響は甚大でした。

     

    東日本大震災のような大規模災害の場合は、事業所内にあるパソコンがすべて津波により紛失ということが発生し、企業で今まで蓄積してきた情報資産を丸ごと失う事態になります。

     

    そこで、被災後に業務再開するにしても、業務に必要な書類はすべて一から作り直しになり、被災前の数倍以上の時間がかかる状態が続き、蓄積した企業情報資産が、いかに従業員の生産性向上に寄与していたかを痛感したという意見が多くありました。

     

     

    江戸商人に学ぶ知恵
    火事が多かった江戸の商人は、火事が起こると何よりも先に顧客情報や売掛、買掛が書かれた大福帳を持ち出し、それを井戸に投げ入れました。店も商品も燃えてしまい、何も無くなってしまっても、井戸に投げ入れた大福帳さえ燃えずに残っていれば、また、商いがスムーズに再開できるということです。

     

    つまり、企業にとっても、一番大切なのは、今も昔も企業内にあるデータなのです。

     

    データを何があっても守り抜くことが出来れば、例え甚大な損害を受けたとしても、売掛金をきっちり回収して、顧客情報を元に営業を開始して、スムーズに新たな売上を作って行く足掛かりになるのではないでしょうか。

    Posted by : 日本クラウドコンピューティング(株) 清水 圭一 | 災害対策・BCP | 03:32 | - | - | - | - |
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