「コミュニケーションツールの良いとこ取りをしたSlack」
日本クラウドコンピューティング株式会社
代表執行役 ITコンサルタント
清水 圭一
今年3月の新型コロナウィルス拡大防止策の1つとして、在宅勤務をした方も多かったと思います。
在宅勤務をするにあたり、改めてオフィスの外で様々なコミニケーションツールを使って仕事を進めることの重要性を感じられたのではないかと思います。
今回はコミニケーションツールの1つとして今、注目をされて、導入が進んでいるSlackについてお話をしたいと思います。
Slackは、同社の公式Blogによると2019年9月時点で、全世界で日間アクティブユーザー数が1,200万を超える世界No.1シェアのビジネスコミュニケーションツールととなっています。
また、導入している企業、団体、政府関連ですと、海外ではNASAやBBC、IBM、日本国内では日本経済新聞社、メルカリ、クックパッド、Cygames、DeNAなどが導入しています。
同じく、Slack社が約1,600社を対象に2015年におこなったアンケートでは、Slackの導入により、「メールの量が 48.6% 減少」「ミーティングの数が 25.1% 減少」「生産性が 32.0% 上昇」という結果が出ています。
スラックは一般的にビジネスチャットと言われていますが、それだけではないメリットや効果が多くあります。既存のチャットツールや、Eメール、電子掲示板と比べて何が違うのか、また、そのメリットなどを説明していきます。
働き方を変える新たなコミニケーションツール
スラックはビジネスチャットになります。
しかし、今までの双方向のメッセージを送るチャットと異なり、このツールの本質はチャット機能を活用しつつ、今までの知的集約型の業務をより良いものに変えていくことが根幹の思想にあります。
オフィスワークと言う知的集約型の仕事の仕方を劇的に改善し、過去の知的資産を将来に生かしていくところがコミニケーションツールとして新しいところです。
そのメリットを3つに分けて説明して参ります。
1.電子メールにより起こる情報の分断をオープンにし、情報共有をする
電子メールでは、そのメールの宛先に含まれている人の中でしか情報共有をすることができませんでした。
例えば、年末調整の業務等は、毎年税制や法律などが変わり、また各個人従業員を移動で特別な対応をしなければならないケースなどもあります。
毎年、同じメンバーで仕事をしていれば良いのですが、従業員や、その業務を1部を担って頂く派遣社員や業務委託先などのメンバーは変わってしまいます。
その度に、新しく加わったメンバーに対して、昨年の年末調整業務の経緯や個人ごとの特別な対応を共有するのは非常に時間も手間もかかります。
また、その電子メールのやりとりが残っていたとしても、その内容をあなたがメンバーに全てのメールを転送を情報共有していくのも大変な話です。
Slackは、メンバー同士のチャットでやりとりを行いますが、そのやりとりはチャンネルと言われる掲示板のように残っていきます。
そしてその情報は次に同じようなプロジェクトが再開される際に、新たなメンバーを紹介して加わってもらい、過去の情報など閲覧し、共有してもらうことができるのです。
また検索機能も優れていますので、検索すれば必要な情報が新しいメンバーをすぐに取り出せ、また過去から居るメンバーにとっても、情報を再度、見直すことができるという大きなメリットがあります。
2.情報の内容によって、公開、非公開、メンバー制限も可能
スラックはチャットの履歴が保存し、検索しやすいことだけではありません。
そのチャットも、必要以上のメンバーに共有したくない時や、あるいはすべてのメンバーに共有したい等、必要に応じた使い方をすることができます。
つまり、情報の機密性に応じて使い方ができるということです。
これが例えばSkypeなどのチャットツールですとメンバー全員に共有され、また別のやりとりは個別にやるといったことでチャット履歴の扱いが非常に煩雑になります。
しかし、Slackであれば、情報が中央に集約され、同一アカウント、同一の分類も行われますので、全てにおいて過去履歴の検索や参照が簡単にできるようになり、過去の情報資産を将来に生かすことができるのです。
3.外部ITツールとの連携やワークフローも!
現在、ビジネスにおいても、様々なITのツールやアプリケーションが現場で使われています。
例えば、データの保存はGoogleドライブやDropboxを使い、顧客サポートではZendesk、 外部向けの広報や集客ではTwitterを使うといったことです。
また、プロジェクト管理なのでAsanaやTrelloといったツールとの連携も行えます。
Slackで評判の良い最も評判の良い機能として、ワークフローツールがあります。
例えば、入社後の手続きや、中途採用、新入社員の基本的な新入社員研修、何をやるべきかということを、具体的にワークフロー作成して、新入社員の方はmそのワークフローに従って様々な手続きを進めたり、自分自身でその会社で仕事をするための準備を進めてもらうことができます。
このように、スラックでは今までの様々な便利なICTツールのいいとこ取りをして、さらに業務を効率化する機能が盛り込まれています。
また、最近では電子メールは社外とのコミュニケーションに特化して、それ以外はSlackという文化もベンチャー企業を中心に定着化しつつあり、このSlackは必須のツールになりつつあります。
働き方改革を支援するツールの一つとして、必要に応じて検討してみてはいかがでしょうか?
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